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「非力だが非凡! "クリーク マイスター76"を楽しむ」

山田 浩一

 最近、カバーゲームを行える釣り場が減少し、護岸されたオープンポンド、クリークが目立つようになってきた。当然それにあわせ、ライギョロッドも、カバーを意識したものからオープン・小場所用ロッドまで、様々な釣り場・スタイルに向け進化し続けている。07年に登場した“クリーク マイスター76”はウィードベッドモンスターシリーズの中で最も柔らかいため、ライギョを実際釣るまではパワーの面において、心配に思うアングラーも少なくないだろう。

 それでは、なぜクリーク72、トレッカー76、80で対応できないのか、という考えになるのだが、マイスターの利点として挙げられるのが軽量フロッグを少しでも余分に遠投できる点だ。ロッドの硬さにあわせフロッグの重量も次々と増え、いつの間にかスナッグプルーフクラスのフロッグは軽い部類に属するようになってしまった。オープンエリアでの神経質なライギョをキャッチするには、軽量フロッグを上手くキャストでき、ソフトプレゼンテーションさせる事で、さらに確率を上げることができると思う。他にもフロッグに繊細なアクションを与えることもこのロッドなら可能だと私は感じた。

 試し振り時に感じられるロッドパワーに関して言えば、これまでのライギョロッドに見られるようなパワーはない。しかし実釣での感想は、リフティング破損に至らない耐力=粘りがある。これはフックアップ後のヘッドシェイクに対してブランクが素晴らしい追従性を見せ、ライギョの動きにまとわり付くイメージに、楽しさまで覚える。とにかくバレにくいのだ。開発者の意はこの辺りにあるのではないかと思った。

 フックセットにおいては、まずフロッグのコンディションをチェックしておく必要がある。ロッドにパワーがないため、フロッグのボディがなるべく柔らかいものを使い、フックのポイントをしっかり尖った状態にしたい。このようにすることでフロッグアクション時にアタックがあっても、ラインにテンションさえかかっていればアワセを入れることなく、ほとんどのライギョをキャッチすることができた(ライギョのアタックの進行方向がアングラーの方に向いている場合には、当然アワセが必要)。

 私は、オープンウォーターで、なおかつべジテーションのないエリアで使用しているが、その中では“クリーク マイスター76”はモンスタークラスのライギョにも十分対応できる耐力のあるロッドであると思った。

(2007.11.11掲載)