バーストアウト3 『ファン&リラックス』 を発売します。
ルアーショップおおの 大野 知一
おおのは昨年春のあの外来生物法という嵐が去ったあと、店に寄られた高井主馬さんと雷魚が法律の対象魚にならなかったことを喜び合いました。
しかし今回指定が見送られたからといって、今後二度と指定されることはない、というわけではありません。環境の捉え方によっては、また議論の対象とされる可能性は残っています。だからこそ、見送られたこの時期に、法律で規制されずにライギョ釣りの出来る歓びを、そしてこれからもこのままであって欲しいという希望(ねがい)を表現し、これを今の高井さんのスタイルを通して共に味わいたいとの思いが生じました。DVDを創ろう。高井さんはこの思いを受け入れてくれました。
こうして2005年6月、バーストアウト3制作に向けての計画が急遽立ち上がりました。
1)出演は高井主馬さん一人とする。ただし、撮影の進行上必要と考えられる場合には、ライギョの置かれている環境に対する認識が、私たちの認識とずれていないことを条件に出演者協力者を要請することがある。
2)カメラは、ライギョ釣りをする人が望ましい。自らもライギョマンで、高井さんをよく知る現役気鋭の某局のカメラマン森建嘉さんがベスト。会社の了解が得られるよう交渉する。
3)撮影地は、前回同様地元と遠征のフィールドとする。
4)撮影の時期は、外来生物法が2005年6月1日に施行されたことを受けて、今シーズン6月から10月までとし、これを2005年の釣りとして仕上げるのを目標とする。
5)内容は、高井主馬さんのライギョ釣りに対する考え方、接し方を映像として表現する。釣る魚のサイズは、前回のように「90UPをカメラの回っている前で釣ること」が必須ではなく、ゆったりとした気持ちで1匹の雷魚と出会うことの楽しさを皆に観て頂き、“ライギョ釣りは楽しい”ということを再確認してもらいたい。これをドキュメンタリータッチで撮る。そこでの高井さんのテーマは「ファン&リラックス」。
6)映像は、壊れてゆく日本の田舎の風景を大切に記録し、出来るだけ人工構造物が写らないよう配慮する。
7)撮影する場所は明かさない。撮影場所はどこも高井さんの知る釣り場だが、それぞれにそこをマイフィールドとしている釣り人がいる。その人たちに配慮するのは当然である。従って関係者は何人もこれを明かさないようにする。
8)映像の記録、出力の方式は、バーストアウト1・2のVHSテープではなく、画像の鮮度が落ちないこと、保管に場所をとらないこと等より主流のDVDのみとする。
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などの制作概要が決まり、6月直ちに行動が開始され、ライギョとのやり取りのシーンは9月末までに撮影が終わりました。その後高井主馬さんへのインタビューやフロッグチューニング、その他ウイードベッドモンスターの撮影など細かな補足撮りをすませ、2006年1月に編集完了。予定通り3月10日に発売することができました。
ここに至るまで極秘で進めてきましたが、フィールドの混雑などを考慮しての事でした。
フィールドに先釣者がいれば、カメラの前で魚を出す確率は低くなり撮影は遅れます。クルー以外の人がいないことは必須条件でした。よく「バーストアウト3は出ないの?」との質問をお受けしましたが、事情をご理解頂いて、正確にお伝えできなかった無礼をお許し頂きたいと思います。おかげさまで、どこにも負けないと自負できる楽しい作品に仕上がりました。
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DVDジャケットのデザインは、高井さんが担当しました。どこから見てもライギョライギョという感じではありません。よく観るとロッドを持って田舎のクリークを歩く釣り人が、写真の中央に小さく写っています。のどかな感じが伝わってきます。幾つかある写真の中からこれを選びました。
今回のテーマに一番合っていると感じたからです。
ジャケットの裏面には、短い文章が載っています。1月中旬に音楽、語り、インタビュー等が入っていない仮編集版を視聴しました。これで作品の流れが決まったといえます。そこでこれまで思っていたことに加え、その視聴の結果感じたことを表現してみることになりました。したがって、この文章が、このDVDの内容であるだけでなく、DVD作成の精神でもあるといえます。
ところで、DVDの内容は次のようになっています。
オールプレイでオープニングからスタートし、
1. クリーク1
2. クリーク2
3. クリーク3
4. ヘビーカバーポンド
で本編が終了し、続いて
5. フロッグチューニング
という構成です。釣りの流れを大事にしました。
小さな魚との出会いもあれば、大きな魚との出会いもあります。高井さんをして「あの音を聞くためにライギョ釣りをしているようなものだ」と言わしめる音も聞けます。高井さんの釣りを知る森カメラマンだからこそ撮れた的確なショット、美しいフィールドは、観る人を惹きつけずにはおかないと思います。この意味でこのDVDは、高井さんと森さんが一緒に協力してくれたからこそできた作品です。お二人に心からの感謝をささげます。
(2006.2.8掲載、3.10更新)
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