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Super Bronzeback "Arriver 72"
ア リ ヴ ェ ー ル 7 2


チャレンジから10年、"Arriver 72" 誕生!!

ルアーショップおおの 大野 知一

 間水温が低く安定している深場に棲息すると推測されるビッグバスは、シャロー部の水温が下がり、深場の水温との温度差が接近する晩秋から早春の3月にかけて水深レンジの異なるところに棲むエサやミネラルを求めてシャローへ出てくることが多くなると考えられる。水温が6〜8℃位で安定する時期を中心に、50〜60pのどこにも傷のない固体が何匹も釣れるのは、いつでもそのエリアにビッグな固体が棲息すると考えるよりは、「普段は他のエリアに棲息するが、一定の条件が揃うとそこに差してくる」と考えるのが合理的だと思う。加えて冬が過ぎようとする時期、最低水温を記録して間もなく、スポーンを目指して準備に入るブリブリのマザーバスがシャローを目指すと、特定のエリア・スポットのビッグバスのストック量は(ましてやそれがスポーニングの盛期となる5月前後にかけては)相当な数になると考えられる。


 90年代初頭、3年位の間に湖北の陸釣り(おかっぱり)で60UPを30余本釣った天才釣師が「おおの」にいた。彼は、当時多くの期待の中で始まった「同じ時間帯に、同じ場所で、釣果を競う」プロトーナメントの対極にある、「スーパーな奴がいるところで、そのスーパーが一番喰ってくる時間に、スーパーが好むルアーで、スーパーを釣る」という釣りを展開した。ビッグバスハンターである。ビッグバスを釣ること、日本記録を自分の魚で塗り替えることは、ビッグバスハンターの永遠の夢である。

 噂を聞きつけた腕に自信のある釣師が、「おおのフォトトーナメント」を通して、彼の元に集まり、彼に対抗し、彼を超えようとした。釣りの上手い者達が、青春を賭け熱中して競い合えば、皆の力量は当然上がる。そうした彼たちがビッグバスを釣る為にビッグバスが釣れるといわれたビッグバドやザラスプークなどのトップウォータープラグ、ラトリンログやバングオーなどのミノー、スピナーベイト、ラバージグ、そして多種類のワーム(中でもファットギジット、ギドバグ、ソーバグ、ロング系ストレートワーム、そして当時のニューカマーであるスラッゴー、ギャンブラースタッド、スキーターフィッシュといったスティクベイト)などを駆使し、併せてそれらのルアーを使い易いロッド、リール、ライン、リグを探求していった。

 試行錯誤を繰り返し、辿り着いた釣り方が、スピニングロッドによる,フィネスだがストロングな「ジグヘッドによるスティックベイト」を主体とする釣りであった。リールは、引っ張られるパワーに応じて出るドラグ性能、糸よれの少なさからダイワのトーナメント3000が他を圧倒したが、ロッドはメーカーも多く様々のロッドが試された。その中で、ビッグバスとやり取りできるパワー、糸ふけを出しそれを巻き取るという一連のアクションのし易さ、陸釣りであることから要請されるロッドの長さ等のバランスから、(初代の)ラグゼ757Sが支持されることとなった。


冬の琵琶湖の定番,スティックベイト+ジグヘッド(写真はがまかつラウンド25の1/32oz)。
(上から)スキーターフィッシュ4-1/2",デスアダー5",スタッド5",デスアダー6"。


 ころが、ラグゼは、ラグゼ「カマー」にモデルチェンジし、よりハリのある軽いブランクス素材を採用したため、これまでのアクションが出せなくなってしまった。

 そこで「おおの」は、がまかつ社に初代ラグゼ757Sの継続作製を依頼することになった。
 特注ロッドは、まず、第1に、オリジナルの元ガイドが直径25mm.であったものを30mmに変更したモデル(ver.T)。
 第2に、ガンスモークステンレスSICガイドをゴールドサーメットリングに変更したモデル(ver.U)。
 第3に、初代グリップが終了したため、グリップをカマー(カマーはテレスコ仕様)のものを利用し、これをオフセットグリップタイプに変更したモデル(ver.V。ロゴの色、スレッドトリミングをシルバーに変更)。
 最後に、同じブランクに、チタンフレームSICガイドを、ニューガイドコンセプト風にセットしたモデル(ver.W)を送り出した。


 グゼ757Sは多くのロッドの中から選ばれただけあってこの釣りに適した良いロッドではあるが、初期設計後年月を経過したこと、自重が重いこと、もう少し長さが欲しいことなどより、ラグゼの特注を繰り返す傍ら,おおのでは,これを超えるロッドを求めて試作を重ねていた。

 ブランクができる。ガイドを巻く。フィールドに出る。魚をかける。ただ釣るだけではない。
 ・ビッグバスを狙い、これを掛けて、バスを寄せることが出来るか?
 ・ビッグバスを潜らせず、かつ跳ねさせないパワーとしなりがあるか?
 ・ラインスラックはリズミカルに無理なく出せるか?

などチェックポイントは多岐に渡るが、目指す魚が掛からなければテストは進まない。何回もサンプルを作り、テストをするのだが、「おおの」の要求度が高く、なかなか合格する7.2ftモデルのサンプルができないでいた。


 ょうど5年ほど前、「ボートでジグヘッドをやりたいが、上手くリズミカルに糸ふけが出せるロッドがない」との声が寄せられていた。そこで膠着状態を打開するため、7.2ft.の開発を一休みすることとし、これまでの経験を貯めて6.5ft.モデルの開発に切り替えた。フィールドテストは、スタッフの渡辺香佐が専従した。ロッドビルダーには、主に使用するワーム、ジグヘッド、おおのナイロンライン2号を持ち込み、使用法を見せ、直伝した。それをビルダーにも経験して貰った。こうして出来上がったサンプルは、ほぼ満足の行くものであった。それでも何度かのサンプルを作り、やっと完成したのが、Arriver65である。


 して今回完成に到達した"Arriver 72"は、完成された "65" の開発をベースに、これを発展させることで、757Sのバットパワーを超えるパワーを持ちながら、それよりも軽く仕上げることができた。ロッドが軽くなることは、厳しいフィールドの中での釣り人の疲れを軽減し、集中力の維持に貢献するはずである。フィールドテスト中、スタッフ渡辺香佐は61.0p・58.5p・58.0cm(いずれも1/32ozジグヘッド・スタッド5in・おおのナイロン2号・イグジスト2508使用)といった申し分のない魚を筆頭に、フッキングからキャッチまでのやり取りを通じ、そのポテンシャルを確認することができた。


スタッフ渡辺が琵琶湖の陸っぱりでキャッチした61.0cm(2007.12.3)。

 また、釣り方のスタイル、好みを考え、おおのオリジナル757Sに倣い、ガイドの設定を2種類用意することとした。同じブランクスでありながら、ガイドの仕様・設定が異なることで、それらは別のロッドのように感じられるが、パワーに差異はない。



 一つは、伝統的な振り幅重視のため、重量のあるステンレスLVSGフレーム/SICガイドを用いた仕様とした(上写真)。




 もう一つは、チタンフレームT-YSG/SICガイドのニューガイドコンセプト仕様である。

 いずれの機種もトップガイドには糸からみの少ないオーシャントップMNSTを、元ガイドには大径スプール(ダイワ2508・シマノC3000Sを想定)とのマッチングを考えYSG30を採用した(以上のガイドの画像は、比較のため、ガイド部分のみを抽出して合成したもの)。


 の釣りは、一見フィネスな釣りのように思われるが、「そのエリアにいる魚の中で、最も大きな固体を仕留めるためには、どのような釣り方が最も効果的かを、実釣を通して検証し、狙って釣る」というストロングな釣りである。したがってこの釣りで結果を出すためには、自分の釣り場に通いつめて、その釣り場を良く理解することが不可欠である。

 「おおの」はそのためのロッドを用意した。あとは、釣り人がArriverを持ってフィールドに立つだけである。


Arriver 72
ステンレスフレームガイドモデル
Length
Power
Line
Lure
Price
7'2"
ティップ:ML
バット:M
5lbs.〜
14lbs.
1/32oz〜
5/8oz
\ 41,580-

Arriver 72
チタンフレームガイドモデル
Length
Power
Line
Lure
Price
7'2"
ティップ:ML
バット:M
5lbs.〜
14lbs.
1/32oz〜
5/8oz
\ 42,120-

(2008.11.2掲載、2017.5.4更新)