ア リ ヴ ェ ー ル 6 3 ダ ン ス
1、私の釣りとネコリグ(スイミング)の有用性
私がネコリグのスイミングで狙いたい魚とは、食性では口を使いにくい状態にあるバスです。その魚をある種のリアクションでバスを誘発し口を使わすという釣り方なのです。
ジャークベイトなどのロッドのアクションによる動きにバスが異常に反応するタイミングがあります。ミノーやシャッドのジャークやトィッチなどの釣りをしたことがある人なら解ると思います。ワームやただ巻きのミノーなどには見向きもしないバスが、ジャークを入れることで狂ったようにルアーに反応するというテクニックです。
この要素をワームに取り入れたものが私の行っているネコリグです。
ではなぜワームなのか?
この手(ジャークベイト)の釣りには水深が限られるという弱点があります。これらの釣りが効果的とされているレンジは3〜4mくらいまでが一般的で、7〜10メーターのレンジにおいてはほとんど行われることのない釣りだと言えます。
しかし、浅いレンジでジャークなどの動きに反応するバスと同じ状態のバスが、ディープレンジにも存在しているのです。
そんなバスを効率的に狙っていく釣りが、私のネコリグスイミンシェイクです。
2、なぜ「63ダンス」なのか 〜このロッドの特性と使い方〜
この釣法において一番重要なのは「タックルバランス」です。
ネコリグでラインスラックを利用して「中層に浮かせ」、「即合わせ」に対応できるロッドの固さ、感度が重要になるからです。
バスが口を使うタイミングは・・・ネコリグがボトムを切った状態で、一定のアクション、レンジをキープしてスイミングしているのを見たところでバスの反応がはじまります。そしてバスがルアーに徐々に近づき、ルアーの目の前まで行ったところでようやく口を使います。この間にその「一定」が崩れてしまうとバスの意識はルアーから離れてしまうことが多いです。
この「一定」の動きをバスは視認して反応しています。最終的にバスが口をあけネコリグを口にした瞬間に、この「一定」のルアーの動きはバスの視線から消えてしまうため、バスは我に返ったようにネコリグへの意識はなくなり、次には口にくわえたネコリグを吐き出してしまうのです。これは、バスの食性に訴えるのではなく一種のリアクションだからです。ハードルアーの場合はこのときトレブルフックのため自然にフッキングしてくれる可能性が高いですが、ライトリグであるネコリグはこのショートなタイミングで意図的にフッキングしなくては掛かってくれないことがほとんどです。
よって「中層に浮かす」ことができ、なおかつ「即合わせ」ができなければこの釣りが成立することはないのです。
だからこその「タックルバランス」で、その一番の基盤となるのがロッドになるのです。
「63ダンス」は、この二つの条件をクリアーすることにプラスして、ビッグフィッシュを獲るためのロッドパワーを、バランスを極力崩すことなく持たせたところに特徴があります。
3、ロッドの握り方
この釣りは、一般的な食わせのライトリグとは感覚や性格がまるで違います。そのため、同じようなタックルでも、その使用法はこの釣りに特化したものになります。
ロッドの握り方についてもこれは言えることで、この釣りでは全方向からのブレをなくすことが重要になります。ブレをなくすことによって、合わせるタイミングとなる「わずかな違和感」を手元まで伝えてくれるのです。このロッドのグリップはその握り方に対応できるように設計されています。
それは「親指と人差し指」「中指と薬指と小指」「手のひら」の3点でロッドを固定すること。
具体的には、中指から小指でリールフット部前面をしっかり握り込み、フォアグリップを親指と人指し指でつまむように握った状態が基本です。
これにより、全方向からのブレに対して対応できるようになります。ブレは、わずかにロッドに伝わった変化を逃がしてしまうので、ブレがあると手元までバイトなどが伝わりにくくなるのです。
4、狙う水深とシンカーの重さと糸の太さ
推奨ラインポンド数はフロロカーボン5〜8ポンドです。
水深7mまでは1.8グラム、水深7m以上は2.2グラム。
とりあえずどのラインポンド数においてもこれが基本のセッティングです。
あとはその場の状況に対応してまずはシンカーのウェイトを交換します。
それでもしっくりこない場合はラインポンド数も交換します。
これが湖北をメインとする私のセッティングですが、それぞれのフィールドでロッドを使い込んで、自分に合うセッティングを見つけて下さい。あとは練習あるのみです。
長谷川耕司さん略歴:
1973年愛知県生まれ。
JBプロを経て、現在湖北プロガイド。
ガンクラフトプロスタッフ。
ほかに東レ・山本光学(スワンズ)のサポートを受けている。
2007.10.よりルアーショップおおのフィールドテスター。
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※写真はプロトモデルのため、製品版と外観等が異なります。
(2009.4.29掲載)
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