R O M A N M A D E
ロマンメイド・武山さんとの出会い −武山さんと栗田さん−
ルアーショップおおの 大野 知一
08年4月初旬のある日の夕方、あるお客さんから一本の電話が入りました。
『おじさん、今日、70を釣ったよ。それがすごい太さで…。』
この魚は、間もなく デプスのHP を通して全国配信され、09年2月の釣り博ではデプスのブース入口に迫力の剥製となって飾られました。
琵琶湖には70はおろか80をも超えるバスがいると信じている僕からすれば、あの琵琶湖レコード70p、8480gのサイズ・ウェイトはすごいとは思いつつも、通過点の一つだな、と思わせるものでした。
事実このレコードフィッシュをものにした栗田さんは、『これで目標ができた。こいつを釣ったとき、狙っていたのは別の魚で、そいつはもっとデカかった。この魚の重さからすると、そいつは10kgくらいはありそうだった。そいつを釣りたい。』と。
しかし、この魚は、そのサイズだけでなく、もう一つのサプライズを伴っていました。
それは、この魚を釣ったルアーについてです。“マザー”と名付けられたそのルアーは、なんと全長30cm、重さ300gという代物です。何年もの間ビッグベイトと言われる大きなルアーを投げ続けることで、そのルアーの持つ可能性を確信している栗田さんが、武山さんに“ネゴシエーター”より大きいルアーを作るよう依頼してできたものでした。
遠近法で小さく見えても、このボリューム。180mmのネゴシエーターが小さく見えます。
『でかいルアーだからこそでかい魚を引っ張り出せる。』と彼は言います。
その栗田さんがおおのに来られるようになって数年が経ちます。
当時から彼の釣果は、毎週琵琶湖に通うバサーの中でも頭抜けていました。その彼が『自分の釣仲間にハンドメイドルアーを作っている奴がいる。彼を連れて来るので、ルアーを見てやってくれませんか』と申し出がありました。
1か月ほどして連れて来られたのが、武山さんでした。
どのルアーで釣れてもバスはバスですが、釣り人には「このルアーで釣ってみたい!」というロマンがあります。
少し荒削りな感じのする武山さんのハンドメイドルアー。しかしそこに作者の温もりを感じます。朴訥(ぼくとつ)な職人さんという感じの武山さんは、『自分の作ったルアーで釣れるのが楽しくて試行錯誤を繰り返しつつも、次第にビックベイトでビッグバスが釣れることを実感』したそうです。そんな武山さんのもとに多くの仲間が集まり、彼のルアーにロマンを賭けます。実際、50・60のビッグサイズを釣ったという情報が多くもたらされます。
『僕の造ったルアーで、みんなに大きいバスを釣って欲しい。』
そんな思いで、武山さんは、おおのを訪ねてくれました(しかし、当時はビッグベイトのブームも去ろうとしていましたので、武山さんが一人でセールスに来られていたら、オーダーを入れたかどうかは分かりませんでしたが…)。
こうしてロマンメイドの武山さんとのお付き合いが始まりましたが、なかなかルアーができてきません。もう忘れかけていた頃、一年近くたってから、やっとそのルアーは店頭に並ぶことになりました。店頭ではすぐには売れませんでしたが、琵琶湖での栗田さん等ロマンメイドのフィールドテスターたちのビッグバスラッシュによって、徐々に知られるようになってきました。
そして、栗田さんとレコードフィッシュをとったルアーが、同じくビッグバスハンターとして余りにも有名なデプスの奥村和正さんとを結びつけました。このことによって、武山さんの力量には一段と磨きがかかることでしょう。
ロマンメイドは、今、一番熱いルアーメーカーのひとつではないでしょうか。
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(2009.4.28掲載)
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