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N I S H I N E L U R E W O R K S


西根博司さんについて

ルアーショップおおの 大野 知一

 ハンドメイドルアーの好きなバサーなら、たいてい”西音さん”をご存知だと思います。

 1998年11月発売の「ハンドメイドルアー・ワークス最高峰のルアークラフト」(主婦と生活社刊)が、当時のトップビルダーとして10人を取り上げました。その中に「ハンクル」泉和摩・「ギャレット」石川明・「ウッドベイト」遠藤龍美・「ネイティブ」加藤康雄・「キクチミノー」菊池篤博・「ムラセミノー」村瀬達也・「ナベミノー」渡辺裕各氏などとともに「ドリームラッシュ」の西音博司さんを取り上げています。

 あれは確か1997年の早春のまだ寒い頃だったと思います。店の前にバイクが止まり、荷台から何やら取り出し、それを小脇に抱えて入ってきた青年がいました。抱えていたのはメイホーかどこかの半透明のタックルケースで、それを私の前に差し出し、開き「自分の作っているルアーですが、見ていただけませんか」と切り出しました。この青年が西音さんでした。見事な出来栄えのルアーを見せていただき、私は取引を即決しました。

 これが、おおのと西音さんとの出会いでした。そしてこれを機に「DREAM RUSH」の取扱店として「9FR」「HIKONE 90&110」「CHNAI 90」「OGOTO 90」「SIOZU 90」「KAIZU 90」などの販売をさせて頂くことになりました。


写真左より、「HIKONE 110」、「OGOTO 90」、「KAIZU 90」、「CHINAI 90」。
(※現在では生産・販売されておりません。写真のルアーはおおの所有の非売品です)


 ところが西音さんは、1999年それまでの生産の拠点であった琵琶湖畔の彦根の工房を引き払い、突然カナダへ工房を移されました。カナダの木材を用いて自らのルアークラフトを発展させたいとのことでした。体制が整ったらカナダから日本にルアーを送りますという約束は、果たされないままに何年かが過ぎました。

 「DREAM RUSH」の在庫についての問い合わせもなくなっていた2004年、突然シマノから西音さんデザインの衝撃的なルアー「トリプルインパクト」(通称トリパク)が発売されました。発売直後は入手困難で、琵琶湖などでビッグバスを連発させるシークレットベイトとなっていたことは記憶に新しいところです。


シマノから発売された名品「トリプルインパクト」。
お使いになられた方も多いと思います。


 その西音さんが「NISHINE LURE WORKS」を立ち上げられ、これまでの氏名表記を”西根”へと改められました。決意を新たにした西根さんが満を持して、初めて日本に向けて直接リリースするのが、「ビーツァ/BEATOUR」です。M1・M5・M7の3モデルのうち、初回はM5(1色)のみの入荷ですが、順次入荷予定です。仕上げの綺麗なことについては言うまでもありません。ぜひ手に取って、そして使って頂きたいと思います。

(2006.10.2掲載)